2013年10月12日土曜日

ミニPCはPDAになるか

かつてA5サイズのパナソニックのレッツノートMINIを持っていた。
OSはWindows98で、大容量のバッテリーで、当時でも8時間動かすことができる優れものだった。
ハードディスクが2Gしかなかったが、インストールするソフトを厳選してうまいこと使っていた。
小さなパソコンだが、インターネット、一太郎、サウンド編集、ザウルスやPalmとのケーブルなしの接続など、大活躍であった。
当時はUSBケーブルは主流ではなくて、PCカードスロットが多く出まわり、ほとんどの拡張はカードの中で済んでいたので、今のようにUSBからはみ出した形にはならないことが多くてモバイルにはなかなか便利でもあった。
キーボードを持ち歩くという点でミニPCは優れているが、起動の遅さと使えるまでに数秒かかるこのちょっとした時間が、細かくメモを参照したり、電話で相手に伝えることを調べるには向かない。
この点を何とかできないものか試行錯誤したものだ。
まず、OSがWindowsでは使えない。
レジュームからの復帰も遅いし、不安定になることが多い。
特にレジュームの最中にメディアの抜き差しをしたくなることが多く、いったん電源をつけて復活させて抜き取る動作をして抜くのは何とも時間がかかる。

そこで、いくつか他のOSを入れて試してみた。
一つはLinux。
当時はTurbo Linuxがよくパッケージで販売されていたのでそれを利用してみた。
しかし、ハードウェアーの認識がノートに対しては今一つで、市販の外付けCD−ROMをDOSをいじって認識させるだけでも一苦労であった。
やっとインストールできても、思ったようにハードウェアーが動作せず、特にプリンタなどが認識できず、私の力ではどうにもならなかった。
また、Windowsに比べて起動の遅さなどを決定的にカバーするほどではなかった。

次に試したのが超漢字。
起動は5秒ほどで、付箋のようなハイパーリンクを次々と作っていける構造は非常にわかりやすかった。
起動と共に開く実身を設定しておくと、自分の見たい場所をいきなり現れたりした。
しばらく気に入って使っていたが、やはり、ネットワークの弱さと、他の人とファイルの交換をするときに、ファイルという概念を持たないOSは複数の人間で作業する時には効率が悪かった。
同じようなことは当時であればWindowsCEマシンにWZなどの長文対応のテキストエディタがあればもっとスマートにできてしまい、モバイルギアなどのキーボード型サブマシンに惨敗状態であった。

最近はなかなか下火になってしまったが、良質のネットブックが安価で出まわるようになり、ubuntuとネットブックの相性が非常に良く、こちらはハードウェアーを認識し、動作も安定していた。
EEEPCにubuntuを入れて使用するのは多くの人が経験しただろう。
この頃から、個人的にも一太郎を使うのをやめてオープンオフィスを使うようになったほど、この環境は画期的だった。
この安価なネットブックが8年ほど活躍した。
特に、プロジェクターに画面を投影する場面ではACアダプターをいちいち持ち歩かなくても手軽にできた。
Windowsでは不安定になりがちな動画の再生なども、滞りなく、大事な場面でも安定して動作してくれた。
デスクトップで行う作業と全く同じ操作で全ての操作ができるのも非常に良かった。
難点は少し重いことと、キーボードを快適に使うには、少なくとも椅子が必要なことだ。
また、軽めとはいえ、持ち運んでいても以外と使わないことも多く、重さの割に活躍しない日もあった。
(そこで、半分以下の重さのNetWalkerを使い始めることになったのだが、これはこれで課題の多いマシンでもある。)

例えば、買い物に行って買い物リストを参照するのに使えるようになっただろうか。
紙か、ポケットに入るサイズの電子機器でないと、やはりどのみち難しい。
歩きながらNetWalkerを参照していると、DSで遊んでいる子どもと同じようにも見えてしまう。(残念だ)
食材を購入している最中にノートパソコンを取り出して何を買うか調べている人もいないだろう。
ケータイは多くの人が使っているので、既に市民権を得ている。
ちょっとした情報を得るためのインプットツールとしてはやはりパームサイズがいい。
今、人気のタブレットも、機能的にはケータイと全く同じものなので、ケータイと別に持ち歩く必要はあまりないだろうと思う。

これからのPDAの方向性としては、やはり、アウトプットツールをいかに持ち歩くかということだろうと自分は感じている。
モバギの様なサイズの打ちやすいキーボードをどうやって持ち運ぶかが、わざわざケータイとは別にもうひとつのPDAを持ち歩く理由だろう。
そういった意味で、ネットブック+安定したOSはマシン選択の幅も大きく、カスタマイズもしやすく、仕事には間違いなく使える優れものである。
ただ、これはPDAとは言わず、明らかにPCである。
PCである以上、使えるのは当たり前で、これはちょっと反則かもしれない。


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