2013年11月27日水曜日

公衆電話とポケベルとザウルス

その昔、ポケベルというものがあった。
今もあるのかな?
ふと思い出した時、使いたくなってしまう。
今から30年ほど前には、とにかくピーピーなるポケットベルというものがあった。
自分に何かの連絡があった時に、主に家族や会社の誰かが呼び出して、要件は何だかわからないが、どこか公衆電話を使って連絡せい!というものだった。
身近な電話を頭を下げて借りたり、公衆電話へ行って、連絡してみると緊急の要件が入ってきて、そこから対応した。
自分自身が使い始めたのは、だた単にピーピー言う物ではなく、わずかにディスプレイがついていて、ほんのわずかなメッセージを相手に伝えることができるものだった。
転送手段は、プッシュフォンの数字を打つことで相手に伝わる物だった。
それまでは、お互いに公衆電話を使っている者どうしは連絡する手段がなかったが、公衆電話からお互いにポケベルへ送信して、苦しいながらも連絡がとれるようになった。
これが特に女子高生にブレイクしてしまい、高速でプッシュフォンを連打する子が大勢いた。
そんな現象があちこちで出てきて、公衆電話に長蛇の列が出た時代があった。

私は女子高生に混ざる気はなかったが、ポケベルを便利に使っていた。
自宅の留守電に何かメッセージが入ると転送されるようにすると、車を運転している時にも、次にコンビニが見えた時に公衆電話に行き、留守電の内容を確認した。
そうすると、修理中の○○○が修理完了したのでとりに来て下さいとの連絡だったりしたので、自宅に帰る最中にショップによることができた。
ポケベルがなかったら、一旦家に帰って留守電を聞いてから再度、車の運転をしてショップへ出かけなおさないといけない。
これが、夜だったら、次の日ということにもなる。

また、自分から妻に緊急の連絡をする際にも、定型文をポケベルに入れておいて、ポケベルのスピーカーから発信されるプッシュ音を受話器に聞かせてすぐに要件を送ることができた。
ザウルスのメモ帳にも、ポケベルに登録しきれない定型文をメモ帳にたくさんいれておけば、その数字を見ながら相手に要件を送信することができた。
ザウルスと、ポケベルと、テレフォンカードがあると、安価でかなりのことができたのだ。
私はまたこんなノスタルジックな時代に戻ってもいいのかなと思う。

会うこともできない相手に自分の気持ちを伝えるということは本当は容易なことであってはいけない。
本来は遠路はるばる足を運んで、相手の顔を見て、心に浮かぶだけの言葉を相手に伝えるのが本来の姿かと思う。
しかし、現代はあまりに通信手段が安易に手に入り、そのありがたみや伝えることの困難さを実感できない。

さて、手元にはフリーのSIMカードの入ったNexus7がある。
050発信もできるようにしたので、これはテレフォンカードや公衆電話も兼ねている。
パソコン通信ではフォーラムで発言してから返答を頂けるまでに数日かかったが、今ではすぐに調べたいことが出てくるインターネットがいつでもどこでも使える。

私は自分が使っている道具を他の最新の危機と比較したいとはあまり思わない。
どれもすごいことは間違いないからだ。
ただ、そんな中でも特筆すべきはこのSIMフリーの月額980円と、050番号の月々料金300円は、30年前のポケベルとテレフォンカードの使用料金とほぼ同じか、メールやLINEをうまく使うと、ともすると安く抑えられるくらいのコストであるということである。
まさか、この価格帯でこれだけの環境が実現するとは想像さえしなかった。
そう考えると、今の環境は凄まじく恵まれている。
ケータイなくてもいいじゃない。
来年からはケータイのない一年を(とはいえ、Nexus7がケータイになってしまっているが、、、)送ってみようと思う今日この頃である。

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